【PHP + Apache + docker-compose】公式Dockerイメージでドキュメントルートを変更する

Docker Hub から取得できる PHP+Apache の公式イメージでは、デフォルトの DocumentRoot は /var/www/html となっている。

これを var/www/public に変更した際の備忘。

手順

Dockerfile

FROM php:8-apache

RUN apt-get -y update \
  && apt-get -y upgrade \
  && apt-get install -y wget \
  
  # ドキュメントルートを変更する
  ENV APACHE_DOCUMENT_ROOT='/var/www/public/'
  RUN sed -ri -e 's!/var/www/html!${APACHE_DOCUMENT_ROOT}!g' /etc/apache2/sites-available/*.conf
  
  # コンテナログイン時のパスを最後に指定
  WORKDIR  /var/www/public

ENV では Apache内の環境変数に、DocumentRoot となるべきパスの値をセットしている。

その次の RUN についてだが、 前提として Apache の conf では、デフォルトの DocumentRootは /var/www/html とベタ書きされている。
RUN のやっていることは、このベタ書きされた値を、環境変数 APACHE_DOCUMENT_ROOT を参照するように書き換えることである。 /var/www/public/ というベタ書きに置き換えているわけではないという点に注意。

WORKDIR では、 コンテナにログインした際のデフォルト・パスを指定している。
これを指定しないと、毎回ドキュメントルートとは関係ない場所がデフォルト・パスとなってしまい、コンテナに入るたびに最初に cd コマンドで移動しないといけなくなってしまう。

docker-compose.yml

services:
  www:
    build: .
    volumes:
      - ./www/public:/var/www/public
    ports:
      - 80:80

volumes の部分で、でローカルのパスと、 DocumentRoot のパスを同期させる。

（余談）Laravel に最適化

以上で終わりだが、 Laravel の場合は、 public ディレクトリをドキュメントルートとしながらも public と並列に置いてある全てのディレクトリおよびファイル（app/database/resouse/storage など）をコンテナに同期する必要がある。

そのため、 例えば ディレクトリ構成が次のようになっているならば、

www
┣ app
┣ bootstrap
┣ config
┣ database
┣ public
┣ resources
┣ routes
  ...

次のように書くと良い。

FROM php:8-apache

RUN apt-get -y update \
  && apt-get -y upgrade \
  && apt-get install -y wget \
  
  # ドキュメントルートを変更する
  ENV APACHE_DOCUMENT_ROOT='/var/www/public/'
  RUN sed -ri -e 's!/var/www/html!${APACHE_DOCUMENT_ROOT}!g' /etc/apache2/sites-available/*.conf
  
  # コンテナログイン時のパスを最後に指定
  WORKDIR /var/www

services:
  www:
    build: .
    volumes:
      - ./www/:/var/www/
    ports:
      - 80:80

こうすることで

• DocumentRoot は /var/www/public
• コンテナログイン時のデフォルト・パス は /var/www
• コンテナに同期されるソースは /var/www/

というようになり、コンテナログイン直後にパス移動せず php artisan や composer コマンドの実行が可能となる。